こちらの記事を読んでいる経営者の方は多いのではないでしょうか？それもそのはずでT4と言えば日本でいうところの源泉徴収票を意味しています。そのために日本と同じようにカナダでも経営者側から従業員へ手渡す必要があります。
また経営者側としては、このＴ４をカナダ国税庁のルールに沿った形で作成しないといけない事になっていますから経営者に限らず経理担当の方などの方は毎年そのような時期になると残業が増えるなんて方もいるかもしれませんね。今回はこのＴ４を経営者側からの視点で深掘りしていきます。
↓ちなみに下記からカナダ国税庁のウェブサイトに移動できフォーマットをダウンロードすることができます。
Statement of Remuneration Paid
T4とは何か？
先ほど、T4とは日本で言う源泉徴収票であることを説明しましたがこちらの書類には特定の年に支払われた給料の総額などが記入されています。当然、それだけはありません。雇用者の企業名や従業員の住所などもここにしっかりと表記されている必要があります。
他にもカナダで働く上で必要な個人情報であるSIN（Social Insurance Number）などが書かれています。こちらの番号は詐欺などで悪用される事もあるために一定の配慮を払って保存する必要があります。最近では、日本語で”要配慮個人情報”なんて言ったりしますね。
さらにのT4スリップにはカナダの年金であるCPPや失業保険のプレミアムの支払額、他にも寄付をした金額なんかもここで調べることできます。そうですね、しつこいようですがこのような情報が漏れてしまうと会社にとって致命的になりえますので取り扱いにはご注意ください。
経営者の義務とは？
カナダで経営などを行っている方ならすでに知っているかと思いますが、毎年、確定申告の時期になると”一定の期間内に”T4をすべての従業員（＊）に手配しないといけない事になっています。当然、個人だけではなく会社も確定申告が必要になります。
またT4を従業員に配る方法も、ハード（T4の原本）なのか？またはemailなのかによってルールが異なります。経営者側から突然、従業員のほうに控えも無しで送ったりすると後々問題になりかねません。発行の際には十分に調べていただくか、弊社のほうにご相談ください。昨今はT4に関しても新しいシステムが導入されています。
また会社が大きくなっていくとペイロールアカウントを複数持っていたり、特定の従業員がオンタリオ州とブリティッシュコロンビア州で就労があったケースなどは確定申告は多少複雑になります。また従業員の支払いの金額はドルだけはなくその下のセントまで記入しないといけません。
まれにレストランのチップを米ドルで受け取ったり、カナダ国内の留学エージェントなどでは日本円でも支払いできるケースがあるかと思いますが、これらのケースでは為替を通してカナダドルに変更して計上する必要があります。
（＊）金額によって一部は除く
T4に関しての注意点
希にレストランの経営者の方でも、飲食のときにお客様から支払われるチップなどを従業員の収入として申告する必要がないと勘違いしている方いるかもしれません。しかし、カナダ国税庁は飲食店に対して度々”investigation”を行っていて、追加で納税をするように通知が来た方も当然います。またチップだけでなく、グラチュイティーと呼ばれるお店の方から条件無しに課金する収入も申告が必要です。
他にもよくあるのが、ベネフィットに関してです。クリスマスパーティなどのイベントでアマゾンのギフト券や、会社によってはビンゴ大会などで休暇が増えるような得点を用意している会社もあるようですが、経理の観点から言うと確定申告を複雑にする行為です。もし、ご質問がありましたら弊社にご連絡ください。
ほとんどのケースで一度でもT4を作成してしまうと（会社から支払いを行われた給料や年金などの金額の確定）、変更の手順を踏まないと変更ができません。つまり、再作成ではなく修正のカテゴリーになります。当然、こちらの修正もCRAのガイドラインに従って行う必要があります。
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