ここ数ヵ月間でインコタームズ初級編や中級編の記事を紹介してきましたが、どうでしたでしょうか(もし、まだ読んでいない方は是非)?初級ならびに中級の記事のために世界貿易の基本的なルールを書いてきました。1920年代に正式なルールが制定されすでに100年に近くが経過しているインコタームズですが、2020年代の昨今ではできる限り現代の国際貿易にフィットできるようにその仕様も変わってきているのです。
しかしそれでも経験者が”国際取引をする前に知っておいてほしいことはたくさんあります”実際に物流の業界で長く仕事をしていると物流業界でこれが当たり前だけど例外もあるんだ!というケースをよく見てきました。そのために2つの記事に書けなかったもののこの記事を読んでいる方には知っておいていほしい事を追加で上級編ということで書かせていただいています
EXWがいつもシンプルで簡単というわけではない(希に非常に複雑になるケースが存在する)

前回の記事で明確に”EXWが一番、シンプルで簡単と”書いたと思います。もちろんこれは紛れもない事実です。99%以上のケースで、輸出者にとってはEXWが一番楽な選択肢になることは間違っていません。世界貿易では何処の国も同じですが輸入と輸出では輸入の手続きの方が一方的に難しいです。
国外から入ってくる商品に関して何か疑わしい点があれば日本のイミグレーションが徹底的に検査をすると思います。それはそうですよね例えば植物などで日本の生態系に影響があると思われる商品であれば国内に入れないですし他にもドラッグや銃器などの密輸などにも当然、目を光らせています。
では、日本から海外への輸出の場合はどうでしょうか?日本に限らず世界的に輸出手続きは簡単な傾向があります。ただし、一部ですが例外的に輸出申告も煩雑になるケースが存在しています例えば漁師さんが使う漁船ですね。
他にもアサリやハマグリ(北米)も輸出の際には政府系機関の輸出の許可が必要になっているようです。そうですね、例えば、こちらの記事を読んでいる方でクルーザーなどの輸出を検討している方がいるかもしれませんね。昨今ではクルーザー漁船という船があるようでこちらの場合には輸出許可が必要かどうかを調べる必要があると思います。99%の商品に関しては国内から海外への輸出で日本政府や外国政府の許可は必要ありませんがまれ許可が必要な商品が存在します。
実は、歴史的に「食糧安全保障」や「自国の食い扶持の確保」は、各国(カナダを含む)が最も厳しく輸出規制を敷いてきた分野の一つです。
例えば、1800年代半ばに起きた「アイルランドのジャガイモ飢饉」では、主食のジャガイモが全滅して大打撃を受けました。しかし当時の政治・経済体制の下では、国内に飢餓が広がっているにもかかわらず、利益や自由貿易を優先して小麦などの穀物が大量に国外(イギリス本国)へ輸出し続けられ、結果として多くの餓死者を出すという悲劇が起きた歴史があります。
多くのアイルランド系移民を受け入れてきたカナダにおいても、こうした歴史的教訓や世界大恐慌・世界大戦の経験から、国内の食料供給を最優先に保護する仕組みが築かれました。かつての「カナダ小麦局(CWB)」に代表されるように、国内に十分な穀物・食料が確保されているかを徹底的に管理し、国が関与して輸出をコントロールしてきた歴史が存在します。
現在でも、食品や農産品(CFIA管轄)の輸出入に対してカナダが厳しい規則(SFCR等)や事前確認を求めている背景には、こうした「自国の国民の食の安全と供給を守る」という強力な意志が存在しています。そのために輸出手続きが煩雑になる可能性があります。
The FCA “Letter of Credit”レターオブクレジットとは?

突然ですが、レターオフクレジットとは何か知っていますか?貿易関係の仕事をしている方なら聞いたことがあると思います。基本的には国際取引の支払いの確保のために使えわれている金融取引機関を使う方法の1つです。
たとえば商品の売り手側(日本側)からすると、買い手(例えばカナダ側)が商品支払いをいつしてくれるのかはすごく重要ですね?でも買い手からすると支払いをしても売り手側がいつ商品をカナダに送ってくるのかは正直分からないですよね?そのために、売り手にしても買い手にしても不確定要素はつきまとうわけです。
実際に数は少ないですが、売り手が商品を発送したものの代金が振り込まれないケースや買い手が送金をした瞬間に売り手側が音信不通になったケースは珍しい話ではありません。そこで、このレターオフクレジットが有効策になります。
今回は簡単に説明をしますが売り手と買い手が共に信用できる銀行を指定して、売り手と買い手に関係のない第3者が特定条件を満たしたと判断した時にのみ、代金の支払いや商品の引き渡しを許可するという方法です。国家間をまたぐのいくつかの銀行が取引に関わるために、WISEのように手数料が1%で安いと言うわけにはさすがにいきません。しかし、100億円を超えるように大型の取引には依然としてレターオフクレジット(L/C)はよく使われている方法になります。(L/C)は奥が深く(煩雑な書類作業)、複雑になり得るために今回の説明はこれくらいにしておきますが国際貿易の規模が大きくなるにつれてその重要性は大きくなっていきますので覚えていただければと思います。
C TERM スプリットエージェントコンディションの使い過ぎにご注意を

この記事を読んでいる方で日本からカナダに商品を販売したという方は少なからずいると思いますが、どのような日本の物流会社を使いましたか?またそのときに日本からカナダに貨物を送るわけですがその過程でいくつの物流会社を経由したか知っていますか?このインコタームズのCタームに関しては国際貿易に多数のエージェントが多く絡むケースがよくあり、これをスプリットエージェントコンディションプロブレムと言います。
例えば歴史的に見てもペリカンや猫など色々な会社が存在していますがそれらの我々が知っている日本大手の物流会社でも複数の会社を経由してカナダに送るケースはよくあります。日本の港からカナダの港までは日本のフレイトフォーダー(以下:FF)しかし、カナダの港(例えば、バンクーバーのデルタなどについたら)に寄港した直後にカナダ側のFFに書類手続きなどを引き継いでもらって、さらに貨物列車でバンクーバーからトロントに送るわけですがここでまた他の第3者の会社に引き継いでもらうようなケースもあります。そのために、書類作業が煩雑になりえますしその費用も高くなる可能性があります。
またよくあるのは日本側で空港や港までは商品の確認などはできるものの日本の国外に一度でも商品が出てしまうとトレースが困難になるケースがあります。と言うのは日本の大手の物流会社でも日本側の代行手続きは代行はしているものの北米に一度でも渡ってしまうと提携会社であるUPSやFEDEXなどに引き渡してしまうためにせいオンラインでしかトレースができない(アップデートが中々されないなど)というケースはよく聞く話です。そのために、国際貿易ではどのようなエージェントがどの区間を担当しているのか知っていておく事は重要です、また航空便よりも海運のほうが複雑になりやすい傾向がありますので覚えていただければと思います。
DDP について知っておきたい事

弊社では一般的に日本からカナダへの輸出を行う場合には輸出者(売り手:日本側)に対してDDPの使用を絶対におすすめはしていません。DDPという前にDターム(例えばDAP,DPU)も一切お勧めしていません。当然、理由はいろいろとあるのですがまずは関税や税金の問題ですね(ただし1つの会社ですべてを管理している場合にはまた別の話です)。
インコタームズの初級と中級で説明していますが、DDPの場合には売り手(大概の場合には日本側)がカナダ側の関税の支払いも行う必要があります。これが、単純にお金を払うだけということならまだ問題はそれほど大きくはないのですが、税金を払う義務があるということはカナダ国税庁や国境警備隊に輸入者として登録などを行ったり条件によってはカナダ国内の銀行口座を開設する必要があったりあします。それって、すごく面倒ですよね?
では、DAPやDPUではどうか?こちらの2つはDDPに比べると税金の支払いの義務を負わないために確かにマシですがそれでも、カナダ国内側で貨物を動かす必要性が出てきます。例えば、カナダの空港で書類手続きをして輸入側の会社に引き渡したり状況によってはバンクーバーから列車に切り替えを行う必要があるかもしれません…それって大変ですよね?
初級編と中級編もすでに作成していますのでもし、お時間がありましたら読んでみてください。
初級編

中級編



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